OPSが.900の打者が2人いる。1人は標高1,600mで打球が飛ぶクアーズ・フィールド(ロッキーズ本拠地)、もう1人は広くて本塁打が出にくいペトコ・パーク(パドレス本拠地)を本拠地にしている。この2人の.900は同じ価値か。
明らかに違う。この「球場の不公平」を補正するのがOPS+だ。
OPS+の考え方
OPS+は、選手のOPSをリーグ平均のOPSと本拠地のパークファクターで割り算し、100倍した指標だ。
- 100 = リーグ平均
- 100より上 = 平均より良い(数字がそのまま「平均比+○%」)
- 100より下 = 平均より悪い
つまりOPS+ 130の打者は「球場とリーグの環境を考慮した上で、平均より30%優れた打撃をした」と読める。
OPS+の目安
| OPS+ | 評価 |
|---|---|
| 80未満 | レギュラー維持が厳しい水準 |
| 90〜110 | MLB平均前後 |
| 125〜140 | オールスター級 |
| 150以上 | MVP候補クラス |
| 200以上 | 歴史的シーズン |
ベーブ・ルースの通算OPS+は206。キャリア全体で「平均の2倍以上」の打撃を続けたことになる。
OPSとの使い分け
OPSは計算が簡単で速報性が高い。その日の試合結果からすぐ計算できる。一方OPS+は環境補正込みなので、異なるチーム・異なる時代の打者を比較するときに真価を発揮する。
「今年の打者Aと10年前の打者B、どちらが優れていたか」——この問いにOPSで答えると時代のボールやルールの違いに引っ張られる。OPS+なら「それぞれの時代の平均と比べてどれだけ抜けていたか」で比べられる。
なお、同じ発想の投手版がERA+、より精密な打撃版がwRC+だ。wRC+はwOBAベースで計算されるため、OPS+より理論的に洗練されているが、「100が平均」という読み方は共通している。